最近のペット事情

昨日(1/24)のクロ現+ご覧になったでしょうか?

ちょっと補足的(?)に物言いたくて書きます。

番組内でも言ってましたがこの番組ではシリーズでペットを取り巻く問題を取り上げてきていて、私も毎回興味深く観ています。

今回のテーマは「殺処分0に伴う弊害」とでもいいましょうか、我々のような民間の保護団体が崩壊していることに着目しています。(Qべぇプロジェクトはまだ団体と言えないですが・・・)

番組の内容としましては政府が「殺処分0」推進を掲げ、それに呼応して自治体が殺処分を止めるところが増えてきました。

殺処分対象だった犬が保護犬として自治体が飼養し続ける。飼養できない自治体は民間保護団体に譲渡するなどして殺処分0の「実績」をあげるわけですが、飼養負担増大で自治体も保護団体も手いっぱいになって崩壊もしくは崩壊寸前だという問題を提起していました。

取材は崩壊保護団体、自治体の愛護センター、国内最大級の保護団体の現状、そして「ペットオークション」の現場といったところです。

私が今回の番組を見て言いたいのは(いつも言ってるのですが) 川の水は流れをコントロールしずに堰き止めてしまうと、溜まるにとどまらず溢れて決壊してしまうということ。つまりペットを不要不急に生産をして無責任に売る、買うということを止めなければ問題は解決しないのです。今回の「クローズアップ現代+」ではそこのところの問題提起が足りませんでしたね。

オークション業者は、番組で取り上げられていた業者だけではなく複数ありますし優良業者ばかりではありません。その数だけ落札されなかった生体が存在するわけですし、生産業者もオークションに出そうとこぞって生産するわけです。このような生産を止めなければ、保護しなければならないペットが増えるのは当然です。オークションに参加する小売業者も様々です。無駄のないように仕入れている小売業者(予約販売したり受注発注だったり)ばかりではなく陳列販売するために多めに仕入れる業者もあります。在庫を残しては損になるので無責任に売る小売業者もあるわけです。小売業者で最悪なのは移動販売業者です。行商のように全国各地のイベント会場を借り回って、大々的にコマーシャルして数日間で売りさばいて去っていく業者です。こういう無責任販売も止めなければ保護犬、保護猫が増えます。ここの問題は、石川県に入ってこないようにしようと署名を募ろうかという声がにわかに上がっています。

飼い主も、その時の雰囲気に流され無責任に買ってしまって、飼いきれずに捨ててしまうということが保護犬が増える大きな原因のひとつです。

番組の映像では雑種犬の映像が多く純血犬種があまり見えませんでしたので、ペットショップはあまり関係ないのではという印象を持たれた方もいるかもしれませんが、純血種を山などに捨てて野犬に混じり自然繁殖してしまえば、三世代くらいで元の純血の面影なんてすぐにわからなくなってしまいます。猫も同じことが言えるのではないでしょうか?

つい先日、金沢市も「0」宣言しました。金沢市で幸い崩壊保護施設はないように見えます。「Qべぇプロジェックト」も今のところ健全に保護できています。しかし、この流れの元を止めなければ番組のようなことが近い将来起きないとも限りません。石川県と金沢市は他の自治体と比べると保護頭数は少ないと言えますが、日本全体の数字はまだまだ多く、殺処分数が減っても保護頭数は変わっていないのかもしれません。むしろ空前のペットブームで増えているような印象さえあります。

犬について言えば、古来「犬」になった時点から犬と人の絆があります。人が犬の生から死までをコントロールしてきたと言っても過言ではないと思います。ですから人には犬の命に責任があります。人は有史以前から犬との関わりで様々な恩恵を受けて今に至ります。犬の存在が今の文明の発展のひとつの要因と言っても言い過ぎではないでしょう。ですから犬嫌いの人もこの現実だけは知っておいていただきたい。もちろん犬好きの方はこの問題の根底から真剣に向き合っていただきたい。

殺処分「0」の実現は人が犬の一生に「最後まで」責任を持つことです。無責任に売らない、買わない、ところから始めないと解決しません。

犬を飼いたい時どうしたらいいか。

・まず保護犬を考える。保護団体、行政の愛護センターを検索する。

・どうしても純血種でないといけないなら信用あるブリーダーから直接購入する。

・どうしてもペットショップに陳列されている犬がほしければ、最低限、親犬と面会させてもらうことを勧めます。しかし、陳列されているペットを欲しがる人がいるから不要不急の生産が止まらないということもお考え下さい。

・他にも様々な方法がありますが、どんなルートで飼うことになっても「最後まで」責任を持ちましょう。

“最近のペット事情” への2件の返信

  1. 同じ思いで見ておりました。
    元を断たなければ何の解決にもならないのに、その点には全く触れない番組で終わってましたね。
    消化不良状態で、この気持ちどうしよう、、、だったところです。スッキリしました!

    1. コメントいただきありがとうございます。返信が遅くなり申し訳ありません。
      同じ思いの方がいて勇気が出ます。今後ともよろしくお願いいたします。

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